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寒い朝、布団から出るのがつらいと感じる人は多いのではないでしょうか。日本高血圧学会は2026年10月、季節に応じた血圧管理の方法を示した「季節対応型血圧管理の実践指針―10の提言―」を発表しました。冬は寒さで血圧が上がりやすく、心臓や脳の病気が増えることから、特に高齢者には室温を18℃以上に保つよう呼びかけています。また、猛暑が続く夏も、脱水や血圧の下がりすぎに注意が必要だとしています。指針の内容と季節ごとの注意点について、上田先生に伺いました。
日本高血圧学会が発表した内容とは?
編集部
日本高血圧学会が発表した内容を教えてください。
上田 雄大先生上田先生
日本高血圧学会は、季節に合わせた血圧管理の方法をまとめた「季節対応型血圧管理の実践指針―10の提言―」を策定しました。指針では、特に高齢者に対し、冬の室温を18℃以上に保つことを勧めています。あわせて、起床時に暖房を使うこと、入浴前に脱衣所と浴室を暖めること、靴下を履いて足元を冷やさないことも挙げています。
血圧は、気温や室温、睡眠、塩分の取り方などで変わります。冬は寒さで血管が縮み、血圧が上がります。心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)や脳卒中(脳の血管が詰まったり破れたりする病気)は、毎年12月から1月にかけて増えるといいます。
一方、近年は猛暑の影響で、夏の脱水、血圧の下がりすぎ(過降圧)、夜間の血圧上昇にも注意が必要です。夏に塩分を取りすぎると、夜に血圧が下がりにくくなります。
学会は、家庭での血圧測定を生かし、1年を通じて血圧を管理することの大切さを呼びかけています。今後は研究を進め、日本発の取り組みとして世界にも発信していく方針です。
テーマになった疾患とは?
編集部
今回のテーマに関連する血圧の基準値・高血圧予防について教えてください。
上田 雄大先生上田先生
血圧とは動脈の中の圧力のことで、心臓が送り出す血液の量と血管の抵抗で決まります。病院や健診では、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上で高血圧と判定されます。家庭で測る場合は、どちらも5mmHg低い値(上が135mmHg以上、または下が85mmHg以上)が基準です。
高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、放っておくと動脈硬化(血管が硬くもろくなること)が進み、脳卒中や心臓病を起こしやすくなります。血圧を上げる原因には、塩分の取りすぎ、野菜や果物の不足、肥満、運動不足、多量の飲酒があります。
家庭では朝起きて1時間以内と寝る前に、座って1~2分休んでから2回測り、その平均を記録しましょう。生活習慣の見直しとあわせて、毎日の血圧を把握することが高血圧予防の第一歩です。
内容への受け止めは?
編集部
日本高血圧学会が発表した内容への受け止めを教えてください。
上田 雄大先生上田先生
今回の指針は、血圧管理において食事や運動などの生活習慣だけでなく、室温や季節による環境の変化にも目を向けている点が重要です。
特に冬は、寒さで血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります。高齢者や高血圧のある人は、暖房を適切に使って室温を18℃以上に保ちましょう。寝室や脱衣所、浴室なども暖め、部屋ごとの温度差をできるだけ小さくすることが大切です。
一方、夏は暑さや脱水によって血圧が下がりすぎることもあります。降圧薬(血圧を下げる薬)を服用している人は、季節による血圧の変化に注意が必要です。ただし、自己判断で薬を減らしたり中止したりせず、家庭で測定した血圧を基に主治医に相談しましょう。
編集部まとめ
日本高血圧学会は、冬だけでなく夏も含め、1年を通じて血圧を管理することの大切さを示しました。血圧は気温や室温によって変わります。冬は室温を18℃以上に保ち、起床時や入浴時の寒さを避けること、夏はこまめに水分を取り、塩分を控えることがポイントです。家庭で血圧を測る習慣をつけ、季節に合わせた体調管理に役立てましょう。
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